Think Memo NO.056 ものづくりは、考え抜く熱意から生まれる。
初めて知った。左官職人はここ10年程で、ピーク時よりも相当数減ってる。主な原因は、壁紙の進化らしい。
昭和の民家の壁は、塗り壁が多くあった。しかし、近年は壁紙がメインとなり、左官職人が力量を発揮する場所が減っている。
その為、左官業をメインとする会社は、衰退の一途となった。
石川の左官業者。復活のために、脳ミソから発熱するほど考える。(フジTV番組解説より抜粋)
珪藻土マットを開発する。
石川にある(株)イスルギの石動博一さんは業績悪化しつつも、職人に新商品を提案。
すると職人は怒り、バケツを蹴り上げた。珪藻土の壁に水がかかると、一瞬で水が吸い込まれる様子をみた。
珪藻土でバスマットを作れないのかと考えた。珪藻土は脆いものだったが、長年培われた職人の配合によりマイクロ単位で調整。
こうして生まれたのが、珪藻土バスマット「Soil」だった。
固いのに水を吸うというバスマットは話題になり、売上30億以上売り上げる大ヒット商品となった。業績は見事にV字回復、新たな大ヒット商品が生み出されたのだった。スタジオでも風間俊介は「Soil」を愛用していると大興奮だった。
開発担当者は、24時間考え続けていたに違いない。
解説だけを読むと、珪藻土マットが簡単に生まれた様な表現だが、それは違う。
担当者は、来る日も来る日も、本業をこなしつつ、何か新しいものをと考えていたに違いない。
開発のポイントは、自社の技術プラス新しい切り口。そして、担当者の日々考える熱意。
開発された珪藻土マットは、この会社にとっては、全く新しいものではない。
現状ある、技術を生かし、家庭雑貨という新しい切り口に変えただけなのだ。
ここが、難しい。後付で言うことは簡単だ。この条件は、全てのものづくりの会社に、同様にあるチャンスである。
しかし、現実する会社は、極めて少数であろう。
ものづくりは、脳ミソが発熱するほど考えることが第一歩だ。