Think Memo No.015 海外の良い生産工場の見つけ方の相談を受ける。2つの方法しか無い。
知人から相談を受けた。海外の良い工場を見つける方法はあるのか?という問いだった。
自分の経験値からのアドバイスしか出来ないが、結論を述べた。
アウトドア・アトリエがメーカーだから、当社を使えということでは無い。同様なビジネスをしているプロならば、この話は正しいと言うだろう。
結論
1)失敗という授業料を払い、数をこなし、その中で自分のビジネスに会う工場を見つける。
自分で直接コントロールする。
資金力、人的資産がある会社ならば可能。
2)信頼できるサポートできる会社を通して、海外で生産する。
ひと、会社を介してコントロールする。
小企業、個人向け。
理由
1)アウトドア・アトリエも直接工場をコントロールすべく、韓国、台湾、中国、ベトナムと相当数の会社にアプローチした。
直接工場にも何件も行った。しかし皆、一長一短なのだ。
良い工場は、相手が世界規模なので、小さな会社を相手にしてくれない。小さい工場はそれなりだ。それなりの工場を使うしか無いが、品質も当然それなりなのだ。価値観が違うので、説明しても理解できない。アウトドア・アトリエも失敗という授業料を相当支払った。
ただ、この説明をしても、なぜか、皆、自分だけは大丈夫と考えるらしい。
2)ビジネスの本質は、仕入30%、販売70%の力配分なのだが、直接工場をコントロールしようとすると、仕入に70%の力が入ってしまい、売ることが疎かになる。
海外と取引すると確かに面白い。新しいことが多々あり学べる。商売の本質は、お客様に購入して頂くことが重要で、そのマーケティングと販売に重点をおくべきだ。
3)ロットが小さく、海外に持っていけない場合には日本での生産をお勧めする。確かにコストは高い。そのコストでも売れる商品を開発するしか無い。
4)海外で、低価格で品質の良い商品は無い。海外でも、品質の良い商品はそれなりの価格だ。これは間違いない。我々は、ユニクロ、GUでは無い。
5)このアドバイスは受け入れられることが難しい。多分セールストークと思われるのだろう。ただ、苦労したことがある人と会社のみ理解して頂けるのだ。
ケーススタディ アウトドア・アトリエ編
1)アウトドア・アトリエではアクセサリーカラビナを作っている。生産国は中国だ。しかし工場は直接コントロールしていない。
大学時代の後輩の台湾の会社に委託している。台湾の会社は得意な商品なので、コントロール力はある。そこに支払う料金は微々たるものだ。信頼できる後輩に頼んだ方が安心できる。
たとえトラブルが発生しても、こちらには報告と連絡で全て解決してくれる。メール1本で解決だ。これが自分でコンロトールすると、確実に不良品の山となるだろう。なぜなら、現地では不良品では無いからだ。彼らは必ずこう言う。「それ使えますよね」と。
ただ、毎回伝えるが、ほとんどの人が、自分は大丈夫と考えるのだ。どうしても高い授業料を支払いたいらしい。不思議だ。